秋の虫 カマキリ

9月5日 14:21

9月に入ってもまだ夏の暑さが続く中、最近はコオロギの鳴き声がより一層聞こえてくるような気がしています。

もう秋の虫の季節のようですが、秋の虫というとキリギリスやコオロギ、クツワムシなどのバッタの仲間が先に浮かんできますが、それらを食べるカマキリもまた秋の季節の代表的な昆虫でしょう。

カマキリは春ごろから初夏にかけて幼虫が発生し8月下旬から9月の間に成虫がどんどん現れてきます。

桶ヶ谷沼の台地や観察路でも終齢の幼虫が混じりながら成虫が見られます。

木道の先の道を歩いていると「オオカマキリ」がいました。とても立派な成虫です。オオカマキリは離島を除いた本州最大のカマキリでメスは体長が100㎜近くにもなります。ちなみに日本最大のカマキリは奄美大島から八重山諸島にかけて生息するオオカマキリの亜種のマエモンカマキリ(オキナワオオカマキリ)で体長が100㎜を超えます。

 

さらに甑塚に向かうとベッコウトンボのコンテナにかけてあるネットの上にカマキリいるのを見つけました。

さっきのオオカマキリと比べてなんだかほっそりとしていてもしやと思い捕まえて体の裏を見てみました。

鎌の足の付け根、胸のあたりが朱色になっています、このカマキリはオオカマキリではなくよく似ている「チョウセンカマキリ」のようです。見分け方はこの通り、胸の色を見るか翅を広げて後ろの翅がほとんど透明ならチョウセンカマキリ、翅の半分近くが黒紫色ならオオカマキリです。

このチョウセンカマキリは名前だけ聞くとなんだか外来種のように思えますが、現在は在来種であると考えられています。(まぎらわしい)

さらに2匹目、こちらは足を広げてくれているのでわかりやすい、胸の色からしてチョウセンカマキリでしょう。このあともオオカマキリっぽいチョウセンカマキリがいて胸は朱色な上に翅も透明なのを確認しました。甑塚ではチョウセンカマキリ率が高く、下の観察路はオオカマキリをよく見るので、すみわけが成立しているのでしょうか?

ところ変わりセンターではハラビロカマキリを展示しています。

「ハラビロカマキリ」はオオカマキリと並んで野外でよく見かけるカマキリで、平地の草むらにもいますが他の種と比べると樹上性が強く木の上や、外の休憩所の屋根の天井にぶら下がっていることもあります。名前の通り腹部が広く短いため全体的にシルエットが丸く感じます。

餌を十分に与えているので満腹で大人しくなっています。つかんで乗せても落ち着いています。

 

カマキリは寒さにそれなりに耐えられるため大体11月、温かい静岡では12月でも生き残れます。これから涼しくなり外での活動がしやすくなりますが、そんな時こそ生き物を探してみてるといいかもしれません。桶ヶ谷の自然はこれからますます移ろいを感じさせてくれるでしょう。